日本の食卓と神様
先日、念願叶って、土井善晴先生のお話を聴く機会に恵まれました。
もともと、お話を伺ってみたいという気持ちはあったのですが、
神社庁発行の小冊子の巻頭を飾っていたり、また著書の中でも神様と食事の関係について書かれていたので、さらにその気持ちに拍車がかかっていました。
1番印象に残ったのは、
「なぜ箸を横に置くのか?」
中国や韓国では、箸を縦に置くのだそうです。
お膳の上にあるものは、清らかなもの。
自分と清らかなものの境界として、箸が存在するそう。
また、ごまやしょうがなどの天盛りも清らかなもの、神様からのもの、ということを表わすそうです。
そしてもうひとつ。
「お造り」という言葉。
これは決して、「お作り」とは書きません。
人間業ではない、創造の「造」を使う、と。
ここにも、神様の存在が感じられます。
そもそも食物が「天からの恵み」であり。
また、神様にお供えをし、それらをお下がりとしていただく、「神人共食」という文化もあります。
神と人は、食でも繋がっている。
それを身近に思い出させてくれるのが、「いただきます」という挨拶なのかもしれません。