一歩一歩
「休まずば百里の道も達すべし
牛の歩みのよしおそくとも」
生駒市にある宝山寺の、月ごとの掲示句を集めた『洗心抄撰集』。
(「心を洗う」というタイトルがいいですね)
ぱっと開けたところが、冒頭の短歌を含んだ昭和48年の正月掲示句でした。
タイトルは「丑年」。
わたしは丑年生まれですが、ちょうどひと回り前の丑年のお正月の言葉、ということになります。
目に留めたのは、一番から十一番までではあるものの、歩き遍路をしていた時のことを思い出したからです。
必ず、絶対に、何があっても、
一歩一歩足を前に出し続けさえすれば、次の札所に着く。
そう思いながら歩いたものです。
このページには、小さな信心を重ねて良い年にしていこう、ということが書かれていました。
重ねていくのは立派なものでなくてよく、
また、大きな歩幅や、走るような速度で進まなくていい、
必要なだけの休みを取ったならば、着実な一歩を重ねてゆくこと。
そうすれば、いつか必ず、たどり着く。
何を重ね、どこへ歩いていきましょうか。