麻紐を編む
ご依頼をいただき、また精麻にふれる機会が増えています。
精麻の原料は、大麻の茎。
大麻は「退魔」に通じることから、古来より産着の柄にも使用されてきました。
現代でも、お祓いの時に使われる幣や神札に、精麻が使用されている例を見ることができます。
麻紐づくりは、
1枚の精麻をふたつに裂くことからはじめ、
ねじり、合わせ、ただひたすら編んでいく、という工程。
天然の素材を使用している以上、精麻それぞれに個性があり、
また等分になるようにと気を遣ってふたつに裂いてみても、
やはりそのひとつひとつが長さも太さも異なる、ということはよくあります。
そういう場合は、他の精麻の繊維を足して調整することもありますが、精麻に「任せる」ことも多いです。
紐の持ち主となる方それぞれに合わせて祈りを込め、編み上げた後。
目立った繊維を焼いていきます。
「火を入れる」作業がここでひとつ。
そして、ご神水に浸します。
「水を加える」作業がここでひとつ。
火と水、そして精麻自体の力をもって、ここに1本の紐が完成します。